アフル・バイト通信(ABNA) — イラン・イスラム革命最高指導者アーヤトッラー・アリー・ハーメネイー師は5月5日(日)、テヘランにおいてハッジ巡礼の関係者および巡礼者との会合で演説を行い、ガザやイエメンで起きているような災難を防ぐため、イスラム諸国の団結が不可欠であると強調した。
ハーメネイー師は、ハッジの目的について「人類の管理に向けた包括的かつ方向性を持つ模範の提示」であると述べた上で、「ハッジはその外面的構成が完全に政治的であり、その中身は完全に精神的・礼拝的である。よって、これは全人類の利益に資する儀礼である」と語った。
特に現在、イスラム世界にとって最大の利益は「統一と相互支援」であり、「もしイスラム共同体(ウンマ)が一致していれば、パレスチナやガザのような問題や、イエメンがこのような圧力に晒されることはなかっただろう」と述べた。
ハーメネイー師はまた、「分裂と不和は、植民地主義者、アメリカ、シオニスト政権、そして他の覇権主義者が自らの利益と野望を他国に押し付けるための道を開くものである」とし、「ウンマの団結によってこそ、イスラム諸国間の安全、発展、協力、そして相互支援が可能となる」と訴えた。
また、ハーメネイー師はハッジの真の姿について「形も構造も政治的であり、ハッジは単なる観光旅行ではなく、神が人類を導くために定めた極めて重要な行為への参加である」と説明した。
さらに、ガザ地区では2023年10月以降、イスラエルによる激しい攻撃が続いており、これまでに5万3千人近くが命を落とし、地域は壊滅的な被害を受けている。
一方で、アメリカ、イギリス、イスラエルの戦闘機は3月15日以降、イエメンに対しても攻撃を開始している。この軍事行動は、ガザの人々との連帯を示すためにイスラエルに対する軍事行動を行っていたイエメンの活動を封じることを目的として行われており、その後さらに強化されたものとされる。
最後に、ハーメネイー師は、特にハッジの受け入れ国であるサウジアラビアを含むイスラム諸国政府の責任の重さを強調し、「宗教指導者、学者、知識人、著述家、世論に影響を与える者たちは、ハッジの真実と目的を人々に説明する義務がある」と述べた。
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